前回の記事では、私が「一般入試の一本道」を捨て、推薦入試という戦略を選んだ理由をお話ししました。しかし、戦略を決めることと、それを実行して結果を出すことの間には、大きな壁があります。
その壁を乗り越えるために不可欠なのが、「親子での役割分担」と、「合格から逆算した時間の使い方」です。
今回は、私が受験生時代に実践し、現在は受験指導者として伝えている「自走」の仕組みについて深掘りします。
1. 合格から逆算する:医学部現役合格へのマイルストーン
多くの受験生は「今日は何をしようか」と、その日の気分で勉強を決めてしまいがちです。しかし、受験での合格では「逆算思考」が欠かせません。
私が意識していたのは、以下の3つの時間軸です。
- 長期(入試まで)
推薦入試の時期(11月〜12月)をゴールに設定し、それまでに全範囲の基礎を2周完了させる。 - 中期(1ヶ月単位)
「今月は青チャートのこの章を完璧にする」という達成可能な目標を置く。 - 短期(1日単位)
「何時間やるか」ではなく、「今日、どの問題を自力で解けるようにするか」という成果ベースで計画を立てる。
この「自分で計画を立て、達成する」というプロセスこそが、本番のプレッシャーに負けない自信(主体性)を育みます。これは中学受験でも同じことが言えます。
2. 「勉強しなさい」はなぜ逆効果なのか:親ができる最高のサポート
「自走」と言っても、受験生が一人で走り続けるのは困難です。ここで重要になるのが親御様の役割ですが、実は「最もしてはいけないこと」は、学習内容に細かく口を出し、管理することです。
私が初めて家庭教師として担当した生徒で、受験で第一志望校に合格し、進学後も学年トップ3をキープし続けた生徒様がいます。その親御様は、以下の3つのステップを実践されています。
ステップ1:自己決定を促す問いかけ
「宿題やったの?」ではなく、「今日は何をどこまでやる予定なの?」と問いかけてみてください。本人に「自分の口で宣言させる」ことで、実行への責任感が芽生えます。
ステップ2:スモールステップを肯定する
模試の結果に一喜一憂するのではなく、「昨日まで解けなかった問題が、今日一人で解けた」というプロセスの成長を認めます。これが、医学部受験という長丁場を戦い抜くための「自己肯定感」に繋がります。
ステップ3:環境デザインに徹する
親御様の役割は、いわば「F1のピットクルー」です。栄養バランスの良い食事、集中できる静かな空間、そして必要な教材の準備。学習そのものではなく、学習を支える「環境の最適化」に徹することが、子供の自立を最も促します。
3. 「やらされる勉強」から「自ら掴み取る勉強」へ
私は現在、医学部で膨大な知識と向き合う毎日を送っていますが、この「自走」の習慣は、受験以上に大学入学後、そして将来医師として働く上で一生の武器になると確信しています。
以前担当した生徒さんで、当初は親御様のプレッシャーで「怒られないために勉強している」子がいました。そこで私は、学習の主導権を少しずつ本人に戻すよう、親子間のコミュニケーションを調整しました。
すると、数ヶ月後には自ら「明日はこの範囲をやるから、テストをしてほしい」と提案してくるようになり、成績もそれに伴って劇的に上昇しました。
主体性を引き出すことは、最短の合格ルートであり、最良の教育です。
おわりに
受験は親子で挑むプロジェクトです。しかし、ハンドルを握っているのはあくまでお子様自身でなければなりません。
「どうすれば、この子が自分から机に向かうようになるのか」
「今、親としてできる最適なサポートは何なのか」
もし、ご家庭での関わり方や学習スケジュールの立て方でお悩みであれば、一度お気軽にご相談ください。私が実践し、多くの生徒を合格に導いてきた「自走の仕組み」を、お子様に合わせた形でお伝えします。
この記事を読んでくださった方へ
今、お子様のやる気やスケジュール管理で悩んでいる時間は、実は合格に最も近づけるチャンスでもあります。その悩みを、戦略に変えていきましょう。
才適塾推薦部門では、AIによる最適な学習ペースの算出と、私の「学習習慣化」メソッドをベースに、生徒一人ひとりの受験校に応じたオーダーメイドの対策を講じていきます。
ぜひ、共に歩んでいきましょう。
才適塾 推薦/評定管理部門主任 巻嶋 駿太郎